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第36回定例研修会
心もからだも丈夫な子になあれ〜親子ふれあい運動あそび〜

講師:佐野裕子先生(千葉県社会体育公認指導員)

 
◇感想◇

佐野先生は、子ども達の体力低下を危惧し、どうすればそれを防げるかという大きな課題に真摯に取り組んでいらっしゃいます。 当日のセミナーでは、通常、親子を対象としたワークショップでどういった取り組みをされているかを、 参加者が実際に体験するといった形式で教えて頂きました。
 会場では、二人一組になり、親と子をそれぞれ決めて、親役は子ども役をニックネームで呼ぶことから始まりました。 佐野先生の明るく歯切れの良いかけ声で、親役は子ども役に「○○ちゃん、可愛いねえ。ほんとにいい子ね!」と 声をかけるよう指示されるなか、多少の恥ずかしさと共に、パートナーのニックネームを呼びます。 すると、知らない間柄だった関係が、「何かのご縁」を感じさせるものに変わるのは、とても不思議であると同時に、嬉しいものでもありました。 普段は親が我が子をほめる機会が少ない毎日です。ワークショップがこうした温かい雰囲気から始まるのは、親にとってもたいへん気持ちのいいものだろうと感じました。 また、子どもにとっては、本当に嬉しいことでしょう。
 まるで魔法の箱から飛び出してくるように、次々と楽しい遊びが続きます。 これは、体全体を使っていることも思わず忘れるような「遊び」を通じた運動なのですが、そこには、通常忘れている 「子どもとの温かいスキンシップ」や「童心に返る」といった大切な気持ちを思い出すという側面もあるとのお話でした。
 特に印象的だったのは、ピンクパンサーを改造して作られた凛々しい「オオカミくん」を 小学校の高学年クラスで使った時のお話でした。荒れていたそのクラスの男子数名にぼろぼろにされてしまったオオカミくんは、今は復活しました。 しかし、そのクラスから受け取った謝罪の手紙の中にも、それぞれの子ども達の置かれている状況を思いやる先生の言葉に、 今の子ども達全てに共通する問題を思いました。 「私はやってないけど、(一応)ごめんなさい。」 この言葉は、私たち大人も多分どこかでつぶやいている言葉ではないでしょうか。
 最後に、名残惜しい中で親子の縁を切り、時間きっかりにワークショップは終了しました。 その先生の姿に、「プロ意識」を見たような気がします。 参加者の質問に答えられる先生は、今まで体の中心からバネを使って飛び跳ねていたレクチャー中の先生の姿とは異なり、 知性と優しさにあふれる方という印象でした。 今後も、様々な場所で先生のワークショップが広がり、子どもも親も、全身を使った楽しい遊びを経験することによって、 日々の温かい関係を維持できる… そんな親子が増えていく様子が目に浮かびます。 いつもの研修会とはひと味違った、いい汗をかいて気分も爽快!となったセミナーでした。

  ◇内容紹介◇

 親子で楽しく、ダイナミックに体を動かし、れあう活動の中で親子の関わり、子育てについて学ぶワークショップです。 ずっと子育て支援をしてきた佐野先生だからこそ、という、楽しくも豊かな時間と出会えます。 なお、親子で参加しなければならない、というわけではありません。

◇講師プロフィール◇

東京都文京区出身
日本体育大学女子短期大学、東洋英和女学院短期大学保育専攻科卒業

日本体育大学研究員、東京都北区「やまと保育園」体育専任講師、東京都杉並区「堀の内幼稚舎」教諭を経て、 現在 東京YMCA社会体育・保育専門学校非常勤講師、日本幼少児健康教育学会理事、子どものからだと心・連絡会議全国委員、 千葉県社会体育公認指導員。

公民館・児童館・子育て支援センター・幼・保育園・小・中学校で、生涯学習、家庭教育学級、保育研修などの講師として、 「心とからだの健康づくり」をテーマに、心はずむ楽しい講座をめざし、展開している。
 また、インターナショナルすこやかキッズ支援ネットワーク(代表 前橋明 早稲田大学教授 医学博士)の事業部として、 子育て支援講座(ワークショップ・シンポジウム等)を企画・運営している。


日本語教師 小河原菜々子